今までは、パソコンおよびインターネットの素晴らしさだけに目が向けられ、文部省によって、小中学校へのパソコンの導入が推進され、そして幼稚園、保育園でも積極的にパソコン教育をアピールする園が増加しています。しかしながら、最近、インターネットやその他のメディアを使った犯罪が続発するにつけ、そのマイナス面にも目が向けられるようになりました。キンバリー・ヤング著「インターネット中毒」という本からの、子どもとインターネットについての部分の引用です。
キンバリー・ヤング著
「インターネット中毒」…まじめな警告です…
CAUGHT IN THE NET by Kimberly Young
著者・キンバリー・ヤング/訳者・小田嶋由美子
発行・毎日新聞社/1800円 ISBN4−620−31239−8
子供が鳴らしている警報を見逃さない
子供の言動を注意深く見ていて、次に挙げるサインに気づいたら、子供がインターネットを使いすぎていないかどうかを確かめよう。
・疲れたようすを見せる
・学校の成績が下がる
・趣味への関心が薄れる
・友達と出かけなくなる
・言うことを聞かなくなり、反抗的な態度を取る
これらのサインのうち3つ以上にあてはまるなら、その子供はインターネット中毒にかかっている可能性がある。どんな種類の中毒でも、中毒にかかっている子供は、そうした行動を取ることで助けを求めているのかもしれないことに、気をつけてほしい。そして、その原因は、子供白身の問題だけでなく、家族全体も含めた、もっと大きな問題である可能性もある。
中毒にかかった子供に介入する
インターネットの利用について子供と話しあう必要があると判断したら、子供といっしょに最終目標を確認して、あとはしばらく黙って待つ。無理に話をさせようとしてはいけない。話をするときは、言いたいことをはっきり決めておく。とがめるような言い方はせず、子供のことばにじっと耳を傾けることだ。
・子供のことを気にかけていることを示す
子供と話をするときは、その子を愛していること、その子の幸せとすこやかな成長を祈っていることを、最初に語りかけるといい。子供は自分の態度について何か尋ねられると、とがめられているとか、批判されていると思うものだ。責めているのではないと、子供にわからせてやる必要がある。とがめているのではなく、子供のようすが少し変わってきたから心配なのだと言おう。
・妥当なルールを決める
コンピュータを取り上げるのではなく、子供と話しあって一定の限度を設け、その範囲のなかでインターネットを使わせるようにする。毎晩、宿題が終わってから一時間というぐらいがいいだろう。週末にはもう二、三時間、増やしてもいい。大切なのは、そのルールを守ることだ。単に子供を監督しているのではなく、子供を心理的な依存状態から救うためにやっていることを忘れてはいけない。
小さな子供に、するべきこと、してはいけないことを教える
するべきこと
*インターネット上で誰かが不快なことを言ってきたり、してはいけないとわかっていることをするように求めてきたら、すぐに回線を切って、親(あるいはだれか信頼できる大人)に報告する。
あとで大人が突きとめられるように、できれば相手のハンドル名をメモしておく。
*同じ相手がまた何かを言ってきたら、回線を切って親に知らせる。
*誰かが電子メールなどでいやらしい写真を送ってきたら、回線を切って親に知らせる。
*卑わいなことばづかいや、性的な色合いの濃い内容を偶然、目にしたら、たとえそれが直接自分に向けられたものでなくても、親に知らせる。
してはいけないこと
*自分の本名、電話番号、住所など、ふつう知らない人には教えないような個人情報を明かしてはいけない。
*オンラインで知りあった人からプレゼントをもらってはいけない。
*インターネットで知りあった人に電話をかけてはいけない。たとえコレクトコールでもいいと言われても、かけないこと。
*十八歳未満は立ち入り禁止という断り書きが出たら、そのウェブ・サイトやチャット・ルームに入ってはいけない。
<著者紹介>キンバリー・ヤング(Dr.Kimberly S.Young)ピッツバーグ大学ブラッドフォード校の心理学助教授で、オンライン中毒センター(the Center for On-Line Addiction)の創設者。同センターは、インターネット乱用の問題に取り組む教育機関、精神医療クリニック、および企業を対象としたコンサルタント業務を行っている。ヤングの研究は、『ニューヨークタイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』『ニューズウィーク』『U.S.ニューズ&ワールドレポート』などマスコミ各紙で取り上げられ、博士本人もネットワーク各局の番組のほかナショナル・パブリック・ラジオやBBCなどに出演した。ヤング博士は、インターネット使用の実態についての情報を広め、インターネット依存の問題を抱えて支援を求める人々を助けることに努力している。
インターネット中毒…まじめな警告です…
CAUGHT IN THE NET by Kimber1y Young
Copyright 1998 by Kimber1y S.Young
著者キンバリー・ヤング/訳者小田嶋由美子/発行毎日新聞社/1800円
ISBN4−620−31239−8
電磁波について
「パソコン、あるいはテレビゲームは目に悪影響がある」とだれもがある程度は思っているのではないでしょうか。パソコンあるいはテレビゲームと通常のテレビ視聴と異なる点はディスプレイと近距離で長時間向きあうということでしょう。テレビ、あるいはパソコンのディスプレイや本体からは常に、電磁波、紫外線、放射線などがでています。電磁波を防ぐという「ディスプレイフィルター」や「OAエプロン」が売られていますが、気休めとしての効果(効果があると信じていれば、疲れがとれたような気になれる、安心できる)だけだそうです。(また、発ガン性があるという疑いで話題になっている100ヘルツ以下の超低周波の電磁波にはほとんど効果がありません。秋葉原の測定機の専門店で自分で買ってきた電磁波測定機で測ってみました。)
また、パソコンのディスプレイは電磁波対策がされていますが、テレビは電磁波対策がされていないようで、テレビはケタ違い(本当に1桁ないし2桁違います)に電磁波を多く出しています。100ヘルツ以下の超低周波の電磁波というのは家庭の電灯線の周波数が50ヘルツないしは60ヘルツであることから、高圧送電線にかぎらず、家庭内いたるところに充満しています。電磁波の強さは、発生源からの距離、電圧の高さ、使用電流の量に関係しますから、特に影響を受けやすいといわれている幼児への電気毛布や、ホットカーペットの使用は疑いのある間は、避けておくべきではないでしょうか。
また、携帯電話が脳におよぼす影響は、まだ、わかってはいないので、子どもには、できるだけ携帯電話は使わせないほうがよいと思います。また、携帯電話は、電波の届きにくい場所では、自動的に最大出力の電波を出すように作られています。受信状態表示の棒の数が少ない場所では、できるだけ使用を控えたほうがよいようです。アンテナを伸ばさないで使うと、受信状態が悪い場所と同じことになりますので、アンテナは伸ばして使いましょう。
参考(ブリタニカ国際百科事典から)
VDT症候群(video display terminal's syndrome)
VDTとは,CRTディスプレイなどの表示装置全般をいう。このVDT作業をする人たちの間で起きる健康上,あるいは心理的に起きるさまざまな障害のこと。長時間にわたってVDT作業を行なうと,VDTから発生する電磁波,紫外線,放射線などのために,目が疲れる・チカチカする,肩が凝る,流産しやすい,ノイローゼや心理的圧迫感など,いろいろな障害が報告されている。
電磁波(electromagnetic wave)
電場と磁場が振動しつつ,相伴って空間を伝わっていく波が電磁波である。周波数が1012Hz以下のものを普通は電波と呼ぶ。電磁波は1864年J.C.マクスウェルによって理論的に予言され,73年光も電磁波であることが推論された。88年H.R.ヘルツにより電磁波の存在が実証され,95年G.マルコーニが火花放電による電波を用いて無線通信に成功した。また光のほかX線,γ線も電磁波であることが知られた。真空中で電磁波は光速度で伝わる。電場と磁場を合せて電磁場といい,電荷によってつくられる。静止している電荷は電場をつくるだけであるが,電荷が動き電流が流れると電場のほかに磁場ができる。静電気,静磁気などの場合を除き,電場と磁場とは互いに密接に関係しており,その関係はマクスウェルの方程式によって規定される。
以下、月刊クーヨン(発行クレヨンハウス)97.3月号より引用/
アメリカでは79年に「配電線近くに住んでいる子どもは、そうでない子どもより小児白血病が3倍近く発生」との報告が発表されました。その後、92年にスウェーデンのカロリンスカ研究所が「3ミリガウス以上の被曝で小児白血病の増加は3.8倍、2ミリガウス以上で2.7倍」と報告。……中略……スウェーデン政府は、これらの発表を受け、さっそく93年から2〜3ミリガウスを目安に、小学校や保育園など、子どもの施設の移転や送電線の撤去を開始しました。……中略……新学期に家具コーナーに並ぶ1年生用の学習机。頭のすぐ上に蛍光灯が備え付けられていますが、蛍光灯の電磁波漏洩は大きく、10センチ程度の距離で10〜30ミリガウス、50センチ離れても数ミリガウスを超えるものもあるのです。参考文献「ガンと電磁波」(荻野晃也著・技術と人間・刊)「あなたを脅かす電磁波」(荻野晃也著・京都法政出版・刊)
/以上、月刊クーヨン(発行クレヨンハウス)97.3月号より引用
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/
個人の方のHPですが、電磁波の健康への影響について、偏ることなくとても詳しく説明されています。